2024年06月15日(土) 大阪出張

隠れてるからオッケー。



大昔のブラックデザイン事務所時代。
わしは大阪出張を命じられた。

行け、と言われるだけですべてお膳立てをしなくてはいけない。
まだネットなんてないので本屋で時刻表や路線図を立ち読みして頭に入れる。
月給5万ではヘタにモノを購入などできない。
むろん経費など渡されない。
交通費はもらったが。

まず新幹線だが。こだまに乗ってしまいとっても遅れた。
なんか時間かかるなぁと思ってました。

電車の中で暇つぶし用に本を用意しましてな。
ダン・シモンズのカーリーの歌。
表紙がエロ怖いカーリーの絵だったので。
今は別な絵になっておりがっかり。

アジア蔑視、インド蔑視の内容から始まり、カーリーを信奉する邪教集団の暗躍の中、主人公は詩人ダースと接触。
彼の本を出版するのが仕事なのだが、否応なく邪教の陰謀に巻き込まれていく。

彼は薬を盛られ夢を見る。
女神にちんこいじられたり合体したりする夢。
その描写がエロかったです。

先細りになった指が硬直したペニスの上をはい上がり、先端をなぞった。
わたしは思わず呻き声をもらした。
勃起したペニスが、わたしの下半身をおおう彼女の手に触れた。
彼女は下を見てから、長いまつげ越しにあだっぽい目つきでわたしの顔をのぞきこんだ。
繁みに覆われた恥丘が押しつけられてはまた離れていった。

エロいでしょ？
話はものすごい胸糞悪いのでおすすめはしない。

そのような本を読みつつ、借りたT&E記念カセットも聴いていた。
もらった偽ウォークマンで。

スーパーレイドックのアレンジ曲がカッコイイ。

さて大阪についたはいいが既に午後3時。
先方に公衆電話で連絡し、どの電車に乗るのか聞いた。
この時代、携帯電話はまだ登場してない。

「今どこやーー！！」

先方の人は心配していた。
ひかりのくに株式会社。
なんとか目的地に着き、打ち合わせして軽く飲み会。
終電になる前に東京へ帰った。

会社の連中は、わしに大阪行きを命じたらどうなるか面白がっていたらしい。
翌日から本人の前で色々コケにするパワハラが始まった。
昭和の東京のブラック会社、そんなものだろう。
大阪の人は親切だった。