2024年08月18日(日) ザ・ガードマン

封萬。


開封。



わしの初バイトは伊東競輪場のガードマン。

親の知人の誘いで、土日だけやって日当5000エン。
現代だと7000エンくらいの価値だが、あれこれ税金引かれて逆に手取りは少なくなってそう。

勤務時間は9時～16時くらい。
業務はパトロールが主な内容で、交通整理に駆り出される事もあった。
やり方も教えずにな。
おかげでヤクザに脅される事も。

しかし詰め所でのんびりしてる時間も多く、労働時間は半分ほどじゃなかろうか。
弁当も支給されてたので楽な職場だった。

このファンファーレ、CMでも流れてたな。


しかしだな、組まされた先輩が問題のある人でしてな。
サボり癖があり面倒な事はこちらに押し付けてくる。
予想屋の側から離れず、当たり券についてずっと話しこんでいる。

他の警備員からは随分なめられていた。
さる大物旅館のドラ息子らしいので、どうも反感が強かったもよう。

ある日、彼は呼び込みを任されたのに、何も言わずホレとわしに拡声器を渡してきた。
だからわし何も教わってないのだが。
すると、それを見ていた他の先輩警備員が続々とやってきて吊し上げていた。
新人に自分の仕事を押し付けるとは何事だ！
周りが味方でありがたかったが……。

何やら言い訳してたが、彼はなかった信頼を更に失って辞めていった。
他の警備員も、彼が何かやらかすのを待ってた節がある。
組織で嫌われるとこうなるのだな、と思ったものの、東京のデザイン事務所で自分が似たような目に遭うとはこの時は知るよしもなかった。