2009年11月26日 作画汗まみれ

大塚康生氏の「作画汗まみれ」読了。
誰にでもにオススメできる良書です。

大塚氏は宮崎パヤオの先輩というか盟友というか、そんなカンジの重鎮です。
冷静に、暖かくアニメーション史を語っておられます。
長編アニメ時代からTVアニメの3コマ撮りの変遷など、わが国のアニメの歴史の貴重な生き証人ですな。
実は、麻薬捜査官からアニメーターになったという経歴の方です。

AMAZONで見っけた！


その中から1エピソード。

パヤオがファーストルパンのスタッフだと知らなかった山田康夫氏、カリオストロのルパンの演技指導にえらく横柄な態度だったそうな。

「ルパンはまかしときな！今更ごちゃごちゃ言われたくねーよ！ルパンはオレが決めてるンだ！」

パヤオは黙って聞いてたそうです。
大塚氏は降ろしちまえと憤慨してたのですが、試写室でラッシュフィルムを見た後、山田康夫氏の態度は一変。

「監督、先ほどは大変失礼なこと言いまして申し訳御座いません。どんなことでもおっしゃって下さい、何百回でもやり直します」

本物は本物を知ると言う事でしょうか。
山田氏は当時放映中の新ルパンのおちゃらけ具合が不満だったらしく、ファーストルパンの香りのする画面に感銘を受けたのかもしれません。

カリオストロの城は興行的には失敗だったそうですが、その後の再評価やパヤオのサクセスストーリーは皆の知るところです。